ほっこり京都生活
京のこだわり逸品
京の味
宇治茶の茶匠 ‐ 木野 正男さん

ほっこり京都生活

Google

京の味

  • 宇治茶の茶匠 ‐ 木野 正男さん

宇治茶の茶匠 ‐ 木野 正男さん

京のお茶と言えば、「宇治茶」。
京都の南に位置する宇治は、日本茶発祥の地といわれる伝統ある茶産地で、そこで育まれる茶葉は全国でも1位2位を争うほど良質だと言われています。味・香りはもちろんのこと、にごりのないきれいな緑色の水色(すいしょく:お茶の色目)も宇治茶の魅力のひとつです。
宇治茶が良質だといわれ古くから愛されるのは、独特の地形と気候で風味豊かな茶葉が育まれるということと共に、“京都宇治”に寄り添ってきた茶匠ならではの洗練された高度な茶栽培技術が、一流の茶葉をつくり上げているためです。

今回は、全国・関西の茶品評会で農林水産大臣賞受賞を9回も受賞された宇治茶の茶匠、木野 正男(この まさお)さんにお話をお伺いしました。


■まず、宇治茶について教えてください。
全国に、様々なお茶がありますが、京都の宇治茶の何が素晴らしいかというと、ブレンドによって引き出された総合力の優れたお茶と言えるかもしれません。どういうことかと言うと、宇治茶に関わる茶業者全体のレベルが大変高いのです。茶畑を育てる人、摘む人、それを蒸して揉んでお茶(荒茶)にする人、またそれを精選し仕分けをしてほかのお茶とブレンドする人など。そういった人々すべての共同作業で、宇治茶は水色・香気・うま味を堪能できる茶となったのだと思います。
また、気候風土も栽培には大きく関わっています。宇治川・木津川が近くにあるため霧が出ます。霧があると霜にかかりにくいので、茶葉にはありがたいです。また、表土に栄養がたっぷり含まれているので育ちも良くなります。昼と夜に温度差があるとよいとも言われています。その条件には、宇治は適していますね。
ただ、どの条件ならお茶が美味しく育つのかは、いまだにわからんことも多いのです。実際のところは本に書いてあるようにはいきませんよ。 気候が良くても美味しいお茶が作れるとは限りません。宇治独特の気候にあうようにその品種のお茶を栽培するよう、昔から地の人たちが努力してきたというのが正しいのかもしれませんね。

宇治には多くの自然があります。 木野さんが毎日訪れる宇治の茶畑


■毎日、茶畑にいらっしゃる木野さん
お茶の木という生き物を扱われるので、大変なことも多いのでは?

『お茶は育つ過程のタイミングが大事なんです。育ちすぎてしまったら、いい味のものはできないし、ちょうどこのタイミングだと思って、明日作業をしようと思うと雨が降ってできなかったり、自然のものであるので、いつも目をかけてやらないといけないのが大変ですね。 私のお茶の師匠から、茶木の生育状況をよく観察し、茶の訴えていることをよく読みとって対応しなさいという意味で、「茶芽の気持ちを大切にしなさい」と教えられたことを今も大切にしています。
また、商品を買っていただくお客さんは毎年同じ味を望んで来られます。この美味しいお茶をもう一度飲みたいと。
大変ありがたい言葉なのですが気候は毎年違うので、それが最も難しいことです。
それでも、あの美味しいお茶をもう一度作りたい。毎年いつも同じ美味しいお茶の味を提供できるようにと努力をしています。

茶匠 木野 正男さん


■農林水産大臣賞受賞を9回も受賞されておられるのはすごいことですね。
お茶を育てる上で、特別にこだわっていらっしゃることはありますか?

最初に賞をいただいたのは、昭和56年(西暦1981年)。茶栽培を始めて、11年もかかりました。私の師匠にとっては、一番遅い弟子だったんですよ。
毎年、茶品評会には出展しているけど農林水産大臣賞は5年に1回くらいしかもらえないから、いまだに難しいものです。
茶品評会では、全国から集まった20名ほどの審査員によって、外観、香気、水色、滋味の4項目を審査されます。
今回は、お煎茶の部門で4項目すべてにおいて満点をいただきました。
茶を育てる上では、いろいろ気にかけることはありますが、ただ、茶を育てても一人では絶対にこういったものはいただけません。茶業に関わる人たちが、「木野さんのとこに今年も手伝いに行こう」と思って協力してもらえることが、そういったものにつながっているのです。茶を育てる上で、とても大事なことだと思っています。また家族も健康でいるから、「茶づくり」という、ひとつのものに集中させてもらえるのだとも思っています。いろいろ言いましたが、一言で言うと周りの人たちへの感謝しかないですね。

良質な茶葉の茶脈の部分から取れる"うす真" 一番茶は、味と香りの質が高く、一枚一枚丁寧に摘み取られているます。


■最後に、美味しいお茶の入れ方を教えてください。

いいお茶は、冷茶用でなくとも美味しい。 京都人は、このきれいな色を好みます。

1つ目に、「茶葉を多めに入れること」。これが一番簡単です。お茶の先生からは怒られるかもしれないですけど(笑)。もったいないからと言って少ししか茶葉を入れないのは、それこそお茶がもったいないです。
2つ目に、お湯の温度は、熱すぎるよりは低いほうがいいです。茶葉をゆっくりと開かせてお茶の美味しいところだけを出すといいですね。 例えば、ちょっといい煎茶なら1回目は、50度くらい、2回目は70度くらいの温度で、ゆっくりと茶葉を開くこと。3回目は、熱湯を直接入れてもよいですね。3度続けて飲んでみればわかるんですが、お茶というのは同じ茶葉でも3回も違う味が楽しめるものです。 3つ目に、お湯を入れて「待つ」のが大事。低い温度なら一気に茶葉が開かないので、お茶はそんなに苦くなりません。1分~1分半、ゆっくり茶葉が開くのを待ってください。お茶は、せかせかした気持ちで飲むものではないですね。ゆっくりした時間も一緒に美味しいお茶を味わってください。
さらに言うと、美味しく入れるには湯呑みも大事ですね。
唇にあたる湯のみの感覚でもお茶の違いが出ます。いろんな湯呑みで試してみるとよいですね。

個人的には、夏場は急須に茶葉を入れた後、氷を3つくらい入れて風呂に入り、風呂から出てきたらキーンと冷えた緑茶をコップに注いで、くーっと飲む。最高に贅沢なひとときです。

自然を相手に、毎日たっぷりの愛情を注ぎながら茶の木とともに生活をされる木野さん。周囲の方々から茶匠と呼ばれてもなお、創意工夫を続けている姿勢に大変感銘を受けました。
木野さんとのお話の中で、お茶というのは人それぞれの好みやその場の雰囲気、湯呑みの形にさえ左右され、味の感じ方がいろいろあるということを教えてもらいました。リラックスできる時間として、ほんの少しお茶と向き合う時間を作って、自分の美味しい入れ方を探ってみたいと思います。 また、皆さんもぜひ茶匠の粋なお茶の入れ方もまねて味わってみてください。



<木野 正男(この まさお)さん プロフィール>

京都・大阪と名古屋を結ぶ木津川沿いの山里、標高200m地点にある 株式会社木野製茶園を経営

受賞一覧(一部)

農林水産大臣賞 全9回受賞
平成19年度、第1回世界緑茶コンテスト 最高金賞受賞
平成22年度、(社)大日本農会農事功績者として、緑白綬有功章受章

※2012年7月時点

京のこだわり逸品

ほっこり京都 祇園祭

京都のおすすめ散策

ほっこり京都マップ検索

ほっこり京都生活おすすめサイト

ひとみ研究室 全国 目のご利益スポット

ほっこり京都 葵プロジェクト